私はこれまでずっと、自分自身をとても「雑」に扱ってきました。

それはどういうことかと言うと、「自分をアメとムチでコントロールしようとしてきた」ということ。

「自主的に行動したい」
「現状を変えたい」と思っているのに、動けない自分が情けなくて。

先延ばしを防ぐテクニック、モチベーションを上げる本、YouTube動画……。
数えきれないほどの「動ける方法」を探し回っては試してきました。

それなのに、思うように行動できないし、続かない。 なぜ?

それは、私が私自身に対して「馬を走らせるような扱い」をしていたからと気付きました。

大人は騙せない

「アメ」とはご褒美です。
テストで100点を取ったらおもちゃを買ってあげる、というのと同じ。
「ムチ」は、恐怖や義務感。
「今これをやらないと将来困るよ」「苦しくても走りなさい」と自分を追い込むこと。

確かにお馬さんなら、目の前に人参をぶら下げれば走るでしょう。
子供だって、ご褒美欲しさに一時的には頑張るかもしれません。

でも大人はそうシンプルにはいきません。
例えば「部屋を片付けたい」と思ったとします。
「きれいにしたら気持ちいいよ(アメ)」もわかるし、「片付け方の知識」も十分にある。
それなのに、体は動かない。
そんな経験ありませんか?

心の中で「でも、やりたくないの」という声が聞こえてくる。
大人の脳は「ご褒美」という単純なレトリックには騙されてくれないのです。。

ブレーキのかかった車は

私がずっと自分に強いてきた「アメとムチ戦略」。
これは車に例えるなら
「サイドブレーキ(ノイズ、他人の声、思い込み)」をガッチリ引いたまま、思い切りアクセル(ご褒美、知識)を踏み込んでいる状態でした。

エンジンをふかして「頑張れ! 進め!」とムチ打っても、ブレーキがかかっているのだから進むわけがありませんよね。
車体(心と体)が悲鳴を上げて、動けなくなるのは当たり前だったのです。

このことに気づいた時、私は決めました。
「ガソリン(やる気)を足す」のはもうやめよう。 これからは、「サイドブレーキを外すこと」に注力しよう、と。

「動けない」と自分を責めるのは不要だったなあと。
ただ、ブレーキになっている「ノイズ(余計な思考や他人軸)」を外してあげれば、車は自然と坂道を転がるように前に進み出すのですよね。
ただ、動けないとのたうち回っている時期も必要だったともわかります。

ノイズの外し方 クリアリングジャーナルのすすめ

では、どうやってその「ノイズ」を外せばいいのでしょうか?

私の場合、一番効果的なのは「没頭する時間」を持つことです。
茶道のお稽古をしている時は目の前の所作に集中しているので、ノイズが入り込む隙間がありません。
お稽古の後、頭がスッキリして体が軽くなるのは、脳のブレーキが外れた状態だから。

とはいえ、「そんな没頭できる趣味なんてない」という方もいらっしゃると思います。
そこで誰でもペンとノート(あるいはスマホ)があればできる、私が実践して効果があった「クリアリング・ジャーナル」の方法をシェアします。

やることはシンプルです。

ステップ1:今の「イヤ」をとにかく書き出す

今の現状に対する不満を、遠慮なく書き出します。
「太っているのがイヤ」「貯金が少ないのがイヤ」「部屋が汚いのがイヤ」……。

自分のことだけでなく、社会や政治のことでも構いません。
語尾が「イヤ」で終わるものを、心の膿を出すつもりですべて吐き出してください。

ステップ2:これは何の伏線? と考える

ここからがポイントです。
書き出した「イヤ」なことリストを見て、こう問いかけてみてください。
「もし私がハッピーエンドの映画の主人公だとしたら、これらの『イヤ』は何を示唆している? 何の伏線だろう?」

「この借金は、将来お金の大切さを伝えるための伏線かも?」
「この人間関係のトラブルは、新しい環境へ移動するための合図かも?」
正解は必要ありません。自分なりに「意味づけ」をしてみます。
この「自問自答」の時間こそが、自分と向き合う大切なプロセスです。

ステップ3:AIに聞いて「勇気づけ」してもらう

自分一人だと、どうしても視点が狭くなったり、ネガティブに偏りがちですよね。
そこで最後に「AI」の力を借ります。

ChatGPTなどのAIに書き出した不満をそのまま投げて
「これらがハッピーエンドへの伏線だとしたら、どんな展開が考えられる?」と聞いてみてください。

自分では思いつかなかったポジティブな解釈や、驚くような視点が返ってきます。
「なるほど、そういう見方もできるのか!」と腑に落ちた瞬間、心にかかっていたブレーキがスッと軽くなります。

とてもおすすめなので、このステップはぜひ体験してみてください。

過去のやり方を手放す

私は今まで、自分を動かすためにご褒美で釣ったり、叱咤激励したりしていました。
なかなか動けないと、恐怖が足りない、とまで思ったものです。
でも、それは逆効果でした。

必要なのはガソリンを足すことではなく、ブレーキを外す(整える)ことだったとは。
これからは自分を雑に扱わず、丁寧に対話して「整える」。
甘やかすのではなく、よりそうあり方。
そんなやり方で、軽やかに進んでいこうと思います。